ドサイドン@こだわりハチマキ

ここは ただの びぼうろく

今回のポケマスEXのアカギ&ダークライのエピソードが滅茶苦茶濃密に感じた話

今日リリースされたポケマスEXのシンオウ編後編の話だが、もう感想を書いていいものか悩んだが、まあブログやし大丈夫でしょって事で書く。

 

ぶっちゃけ初見だと薄ボリュームだとか、最初のアカギのエピソードと結末がそこまで変わらなかったりする印象を覚える為にインパクトに欠けたと思われなくもなさそうだが、自分はこのストーリーを2周して、このエピソードが「DPtのストーリーのオチとしてあまりにも美しい」とさえ思うようになった

 

 

その理由をざっくり書いていく…と言っても話す内容は主にストーリー後半の部分だが

 

 

ストーリー後半でアカギのダークライパルキアが負けた時、サターンがアカギに「貴方を素性も知らなく信じていたのは、貴方が世界を変える意志があると本気で思ったからです!感情が無い世界になったら貴方に忠誠する事ができなくなってしまう!(意訳)」

 

と言うシーンの事。このシーンの中でシロナはアカギに「感情を無くさなければ痛みを感じるのは、傷つけたくない仲間がいるからじゃないの?(意訳)」と言う。

 

このシーンの後アカギは「部下の有用性 その点については認めよう」と言い、それに続いて「サターン、ジュピター、マーズ。今後もお前らは道具としてしか扱わないがそれでもよければついて来い」と言う。主に最後に挙げたこのシーンを中心に語る。

 

 

まあこのシーン、ぶっちゃけ一見サターンの「私達が忠誠出来なくなってしまう!」のシーンと繋がらないんですよね。これはサターン達の勝手に過ぎないので、サターンを引き止める道理は本来無いんですよね。

 

しかしアカギは「道具としてしか使わないがそれでも良いならついてこい」と、サターン達に歩み寄る展開に。ここは何を意味しているのだろうか?ここのコミュニケーションにギンガ団の真の深い「情」の物語があると予想しています。

 

まずアカギの本質から話すと、アカギは友達や仲間がいなくなった苦しみが嫌で逃げたくて「感情という不完全なものを消し去り真の世界を作る立場」になろうとしたのであって、本当は感情を消し去りたいのではなくて、昔仲間を失ったという理不尽が自分に来たという現実が嫌でたまらないんですよね。

 

 

まあつまり自分で自分に本気でウソをついて本気でそれを信じたという事…

 

 

だからこのような行動に出たと思うが、自分についたウソはやっぱりウソであり、本人としてもそのウソをつくのが辛いんですよね。何故なら本当は孤独が辛くて計画を始めたのに、結果的にその孤独になってしまうのだから。

 

 

でもついたウソは撤回出来ない。その理由は何より、自分を守るためのウソであり、守る為についたウソを撤回できないほど辛い現実がそこにあったからなんですよね。

 

 

それを薄々察した(予想)幹部達が、「私達は道具として扱われても大丈夫です(意訳)」と言う事で、「アカギが自分の計画を進める為に、アカギ自身が寂しくならないように救われる為の、アカギにとって都合の良い口実」を提案したのだと思います。

アカギは自分の側から離れていった部下を取り戻せる口実が出来た、と内心では安堵していたと思う。しかし当然アカギはそんな自分の心には無自覚であり、むしろ自覚しないようにしていると思われる。

 

この何ともめんどくさい所、文字で見るよりは実体験等で共感出来る人も割といると思う。

 

また、アカギから「お前らは不完全な存在だ。捨て駒であり道具に過ぎない」と言い放ったのに対しジュピターが「そうです…でもそれは私達が離れる理由にはなりません」という場面は、

 

アカギが自分にウソをついて、辛くなりながらもジュピター達を追いやっているのに対し、ジュピターが「ウソはついててもそのウソの為に無理してでも私達を突き放さなきゃいけない事は無いですよ」という、

 

サターンと同様、アカギの気持ちを読み取った、ジュピターの精一杯の優しさがこもったセリフに思いました。(マーズも何かある筈だが思い出すのに時間かかる為ちょっと自分の都合で今は省略します 話に特に支障は無い為後で追記します)

 

 

 

要するにアカギの複雑な心中を読み取った、本当に忠誠心がある幹部達のアカギへの精一杯な優しさが表現されていた、「情」に溢れる良いシーンに思いました。

 

  

また、アカギが「感情がある事による悲劇を起こさない為に、感情が無い完璧な世界を作るのは一つの手だろう」と言った時、マーマネは嫌な顔ではなく驚いたんですよね。これはアカギがほんの少しだけ自分に正直になった(正直になる口実を引っ張ってきた)事への良い意味での驚きだと思います。

 

 

と、話を纏める前に、実はこの上記の話の部分、根拠が少し足りないんですよね。それはアカギが「仲間がいなくなる事が寂しい」と思っているという部分の根拠の話。この話の根拠を説明する前に、一人活躍しそうで出番もあまりなかったような見えるキャラの説明をします。

 

マーマネです。彼は意外にもアカギと話すシーンは一切ありませんでした。その一方で彼がいなければBADENDだったのも知っていると思います。それはロトムの声ですね。

 

 

まあつまりロトムの鳴き声で突然悪夢が収まったんですよね。これが何を意味するかをざっくり書きます。

 

 

恐らくこのシーンはアカギがロトムの声で悪夢から目を覚ました、という文脈でしょう。 

 

 

それまでアカギは悪夢の世界に逃げ込むようにいたが、ロトムの声で目を覚ました…それも突然。これは悪夢から目を覚ましたというより、(自分の理想であった)悪夢を断ち切ったと言えるのではないだろうか。かつてロトムを失ったというアカギの過去を鑑みると、つまり

 

 

 

自分にウソをついて「何も無い暗い世界」に自ら入り込んだが、本当はそのような世界を望んでおらず、それでも自分の心を保つ為に無理して「自分はこのように暗くて何も無い世界を望んでいるんだ」と意地になっている所に、ふとロトムの声を聞いて、反射的にロトムがいる世界を望む本心が出て、その意志で悪夢から身を離れた

 

 

というのが実態ではないだろうか(結論をまとめてるのに自分の文章力の無さで読みにくい…)アカギは「ここの夢の中にいるのが幸せなんだ」と自分にも言い聞かせているものの、実際無理してたんだと思いますね〜

 

 

 

だからマーマネの役割はロトムを連れていた事、というのが強調されていると思うんですよね

 

また、アカギを縛り続けた、逃げる先として存在し続けている呪縛こそが、アカギがロトムを失ってから見続けている悪夢なのでしょうね…

 

それはさておき、アカギのそうした複雑な心中の中にある「ロトムといないのが寂しい」という本心の強さが分かった瞬間でもあると思います。何故なら悪夢の発生をも瞬時に断ち切っている為。それほどアカギが「情」に厚い、熱い人間であるのが分かるのも個人的に良いシーンでした。

 

 

また、これを敢えて少しぼかす為に、ロトムの鳴き声がした直後がストーリーの切れ目なのもあって、直接ロトムの声で悪夢が終わった、とちょっと思いにくくするのが粋だったと思います。原作で直接アカギとロトムについて描写されてる訳ではないのでね。

 

 

という事でアカギは、ロトムをはじめとした周りとの出来た繋がりを消したくない人物なんですよね。だから幹部達との繋がりも消えたくないし、ディアルガが自分の元から去った時は内心寂しかった筈なんですよね

 

それでも自分にウソをついているからディアルガが去る場面でも(恐らく)無理して突き放してるんですよね〜

 

 

総じてこのストーリーはアカギという人物について心情を事細かく考え、その上でどのようなストーリーを作るかを突き詰めて考えた、エグいアカギファンが作ったような作品だと思いました。アカギは幼少期の辛い経験から自分にウソをついて行動していて、そんな彼がどう転ずるのか。原作ストーリーへの愛だけでなく、非常に細かい理解力抜きには出来ない、エゲツなく良いストーリーに思いました。個人的にジュピターが一番好感度上がりました。ガチャ出たら思わず引いちゃうかも…

 

 

…と纏める前に、このストーリーで本当に一番重要なシーンを挙げて終わります。

 

それはサターンと(マジコス)ヒカリのシーンで、好戦的なサターンにヒカリが「戦いたいならそれで良いと思う。感情を抑えて何かの言いなりになっちゃうのは良くないと思う(意訳)」と言うシーンで、ここ一見本筋とあまり関係ないように思えるんですよね。でもこの一見不自然なシーンが、一番重要に思えました。

 

自分を抑えて我慢して行動するのをヒカリは「良くないと思う」と言ったが、この「自分を抑えて我慢する」というのは、アカギそのものなんですよね。

 

アカギは自分を抑えて我慢した結果、一人で孤独に耐えて辛くなって自分にウソをついてギンガ団を作ったので、自分に正直になれないままになったんですよね。アカギに本当に必要だったのは

 

ロトムがいなくなって辛い」 

 

と言えるような環境だったのかもしれません。 

 

また、サターンがヒカリに、そのセリフの後「…それがお前の強さか…」と言うシーンがある。これはボス(アカギ)にはない強さ、というよりアカギ本人に足りなかった要素そのものなのでしょう。

 

 

ちなみにヒカリはそのセリフ群の最後、「だってそうしないと、いざという時ダメって言えなくなっちゃうから!」と言った。実はこの〆こそが最重要だと予想する。

 

 

何故ならいざという時戻れなくなってしまったのがアカギなので…

 

 

★その他個人的に好きだったシーンを断片的に取り上げる箇所

・シロナがアカギに「貴方は他の誰かから必要とされてるのよ!」と言って起こすシーン、シロナ本人はただ本当に起こす為だけに言ったとも思うんですけど、「貴方は無理して人から離れて貴方はそれを苦しんでるけど、本当は皆それでも貴方からな離れてないから、今も間に合うから帰ってきて良いんだよ」というつもりで言ってたら最高ですね。ポケマスは全てのセリフが何かしらに関係しているような節があるので、「貴方は他の誰かから必要とされている」というのを意味を込めて入れたのだとしたら、こういった意味合いなんじゃないかな…最高

 

 

 

撮り急ぎで書いたので滅茶苦茶読み辛くてアレなので後で内容に関係無い範囲で直す…